汚染水は嘘
2021年04月16日
IAEA Ready to Support Japan on Fukushima Water Disposal, Director General Grossi Says ←動画付き原文記事リンク
IAEA 国際原子力機関 Director General 事務局長 Rafael Mariano Grossi ラファエル・マリアノ・グロッシ による世界に向けたメッセージ を紹介したい。
まず、国内外メディアが意図的に使っているとしか思えない contaminated water 汚染水 という言葉は一切述べていない。
あくまで treated water 処理水 という言葉を強調している。
当然だ。
2011年の事故よりもはるか前から、国際原子力機関は日本政府と密接に連携してきている。
世界に2箇所ある地域事務所のうち1つが 東京 にあるくらいだ。
IAEAにもプライドや意地というものがある。
汚染水がそのまま海に垂れ流しになるなどありえない。
ましてやIAEAがウィーン本部からではなく、東京から直接監視している以上汚染水の処理は下手な周辺国よりも徹底しているはずだ。
まず、 「I welcome this important announcement. この重要な発表を歓迎します。」 という表現について。
これを言葉どおり受け取ってしまえば、あるニュアンスが含まれていることに気づかないだろう。
この 歓迎 という言葉を選んだのには特別な意図がある。
おそらくIAEAは、このタイミングよりもずっと前から日本政府に発表を促していたのであろう。
decommission of the Fukushima plant 福島原発の 廃炉 という発言からも明らかだ。
廃炉が早期に実現することは、日本国民のみならず世界中が望んでいることである。
事故を未然に防ぐことは叶わなかったが、コントロール可能なことも多い。
IAEAの監視下にあり、より厳格な環境安全基準に従い汚染水の処理が進んでいる。
海洋放水は、早期廃炉に向けた必要不可欠なステップと言える。
次に、処理水の海洋放水に対するIAEAの立ち位置についてだが、やはり言葉の選び方が非常に興味深い。
すぐに技術的な支援を提供する準備が整っているという意味で、スタンバイできているという表現を使っていない。
そのかわりに、stand ready という言い方をしている。
つまり、合図があればすぐにでも支援を開始できる状態をアピールしているように受け取れる(むしろいつでも開始できるのに、なぜもっと早く発表してくれなかったのかとでも言わんとする勢い)。
他国のことに国際機関の代表が I’m confident. という表現を用いるのは珍しい。
というのは、あくまで海洋放出を実施するのは日本である。
にも関わらず、IAEAの代表という責任ある立場で日本の計画に 太鼓判を推して しまっているではないか。
さらに、計画の safe and transparent 安全性と透明性 についても絶対の自信をうかがわせている。
日本政府の要請に応じて第三者的に支援する立場とは思えないような肩の入れようである。
「We will work closely with Japan. 日本と密接に連携するつもりです。」 という発言にもある通り、これまでもそうだったように、これからもずっと文字通り 密接に連携 していくのだろう。
そのすぐ後に、 before / during / after 実施前・実施している間・実施後 という言葉を強調しているが、もう全面サポート態勢で臨む気としか思えない。
discharge of the water 処理水の放出にあたり、be present at the monitoring 現場で実質的な実施(監視)指導やモニタリンクにも抜かりない立場を、これでもかというほど強調している。
そして我々も含め世界中が懸念している処理水の安全性に関しても、異次元の発言をしている。
Without
↑全くなし
↓後になってやっぱり有害だったなどということも
an adverse impact
on human health and the environment
↑人体 や ↑環境 に対して
お分かりだろうか。
日本政府が実施する処理水の海洋放出を、まるでIAEAが直接実施するかのような説明の仕方である。
その上、人体や環境への悪影響といった懸念に関しても、安全を100%保証してしまっている。
日本政府が提案する method 方式・手法 とはいうものの、実質的にはIAEAにより具体的な指導があったのだろう。
ここからが行間を読むことで IAEAが本当は誰に宛てたメッセージ なのか知ることができる。
この海洋放出という行為がまるで 禁じ手だったり、最終手段だったりという印象が世界中に広がってしまっている。
ところが、 「in line with international practice 国際的に定着している手法」 であることを強調した上で、
「controlled water discharge 完全に海洋放出が通常業務」であり、
「routinely used in the world 世界中で毎日のように行われていること」 であることを猛アピールしていることがわかる。
次の発言が実はある国々を名指しで批判していることにお気づきだろうか。
この in the region まさに同じ地域 = 東アジア地域の原子力発電所保有国 → なんなら、韓国と中国だっていつも同じ安全基準で海洋放出してるっつうの!
中国にせよ韓国にせよ、 on strict safety and environmental standards 厳格な環境安全基準に従って汚染水を処理&海に流していることに変わりはない。
そういった「お前らだっていつも同じことしてるじゃねぇか!」という意味も含め、今回日本の計画を The IAEA will do everything it can to help IAEAが全面的にバックアップするというメッセージの意義は非常に大きいと思う。

Posted by Dice-ETC at 20:46 | Comments(0)
| 知らなかったこと
IAEA Ready to Support Japan on Fukushima Water Disposal, Director General Grossi Says ←動画付き原文記事リンク
IAEA 国際原子力機関 Director General 事務局長 Rafael Mariano Grossi ラファエル・マリアノ・グロッシ による世界に向けたメッセージ を紹介したい。
まず、国内外メディアが意図的に使っているとしか思えない contaminated water 汚染水 という言葉は一切述べていない。
あくまで treated water 処理水 という言葉を強調している。
当然だ。
2011年の事故よりもはるか前から、国際原子力機関は日本政府と密接に連携してきている。
世界に2箇所ある地域事務所のうち1つが 東京 にあるくらいだ。
IAEAにもプライドや意地というものがある。
汚染水がそのまま海に垂れ流しになるなどありえない。
ましてやIAEAがウィーン本部からではなく、東京から直接監視している以上汚染水の処理は下手な周辺国よりも徹底しているはずだ。
まず、 「I welcome this important announcement. この重要な発表を歓迎します。」 という表現について。
これを言葉どおり受け取ってしまえば、あるニュアンスが含まれていることに気づかないだろう。
この 歓迎 という言葉を選んだのには特別な意図がある。
おそらくIAEAは、このタイミングよりもずっと前から日本政府に発表を促していたのであろう。
decommission of the Fukushima plant 福島原発の 廃炉 という発言からも明らかだ。
廃炉が早期に実現することは、日本国民のみならず世界中が望んでいることである。
事故を未然に防ぐことは叶わなかったが、コントロール可能なことも多い。
IAEAの監視下にあり、より厳格な環境安全基準に従い汚染水の処理が進んでいる。
海洋放水は、早期廃炉に向けた必要不可欠なステップと言える。
次に、処理水の海洋放水に対するIAEAの立ち位置についてだが、やはり言葉の選び方が非常に興味深い。
すぐに技術的な支援を提供する準備が整っているという意味で、スタンバイできているという表現を使っていない。
そのかわりに、stand ready という言い方をしている。
つまり、合図があればすぐにでも支援を開始できる状態をアピールしているように受け取れる(むしろいつでも開始できるのに、なぜもっと早く発表してくれなかったのかとでも言わんとする勢い)。
他国のことに国際機関の代表が I’m confident. という表現を用いるのは珍しい。
というのは、あくまで海洋放出を実施するのは日本である。
にも関わらず、IAEAの代表という責任ある立場で日本の計画に 太鼓判を推して しまっているではないか。
さらに、計画の safe and transparent 安全性と透明性 についても絶対の自信をうかがわせている。
日本政府の要請に応じて第三者的に支援する立場とは思えないような肩の入れようである。
「We will work closely with Japan. 日本と密接に連携するつもりです。」 という発言にもある通り、これまでもそうだったように、これからもずっと文字通り 密接に連携 していくのだろう。
そのすぐ後に、 before / during / after 実施前・実施している間・実施後 という言葉を強調しているが、もう全面サポート態勢で臨む気としか思えない。
discharge of the water 処理水の放出にあたり、be present at the monitoring 現場で実質的な実施(監視)指導やモニタリンクにも抜かりない立場を、これでもかというほど強調している。
そして我々も含め世界中が懸念している処理水の安全性に関しても、異次元の発言をしている。
Without
↑全くなし
↓後になってやっぱり有害だったなどということも
an adverse impact
on human health and the environment
↑人体 や ↑環境 に対して
お分かりだろうか。
日本政府が実施する処理水の海洋放出を、まるでIAEAが直接実施するかのような説明の仕方である。
その上、人体や環境への悪影響といった懸念に関しても、安全を100%保証してしまっている。
日本政府が提案する method 方式・手法 とはいうものの、実質的にはIAEAにより具体的な指導があったのだろう。
ここからが行間を読むことで IAEAが本当は誰に宛てたメッセージ なのか知ることができる。
この海洋放出という行為がまるで 禁じ手だったり、最終手段だったりという印象が世界中に広がってしまっている。
ところが、 「in line with international practice 国際的に定着している手法」 であることを強調した上で、
「controlled water discharge 完全に海洋放出が通常業務」であり、
「routinely used in the world 世界中で毎日のように行われていること」 であることを猛アピールしていることがわかる。
次の発言が実はある国々を名指しで批判していることにお気づきだろうか。
この in the region まさに同じ地域 = 東アジア地域の原子力発電所保有国 → なんなら、韓国と中国だっていつも同じ安全基準で海洋放出してるっつうの!
中国にせよ韓国にせよ、 on strict safety and environmental standards 厳格な環境安全基準に従って汚染水を処理&海に流していることに変わりはない。
そういった「お前らだっていつも同じことしてるじゃねぇか!」という意味も含め、今回日本の計画を The IAEA will do everything it can to help IAEAが全面的にバックアップするというメッセージの意義は非常に大きいと思う。
