2020年01月05日
無料は危険

物を盗むという行為は、道徳的にも倫理的にも反している。
いうまでもなく、法律にも違反している。
万引きもその一つだが、それを例にとって考えてみたい。
コンビニなどで500円の価値のある品物を万引きしたとする。
倫理的には500円という価値のある物を奪うこと自体が良くなくて、
道徳的には500円の価値のある物を500円で交換しないので良くないことになる。
万引きをする人は法律違反をした犯罪者なので、社会的に 悪い人 である。
万引き犯は盗んだ品物の正確な合計金額を把握しているとは思えない。
そう推測する理由は簡単で、相当額を返すつもりなどないのだから、把握しても意味がないからだ。
ところで、私たちの身のまわりで 無料 で利用できるものが数え切れないほどある事に気づく。
何も購入せずにコンビニのトイレだけを利用することは、万引きではない。
しかし、設備を利用し、排泄物を残し、上下水道を利用し、トイレットペーパーも使い、ハンドドライヤーを使えば電気も消費する。
1回トイレを利用するのに実際はいくらの費用がかかっているんだろうか?
倫理的にはもらったものは返すし、
道徳的にはもらったものの価値と同等の物かお金で返すべきだと考えれば、
トイレを借りたコンビニで何かを買って帰るのが、倫理的でかつ道徳的な行為といえる。
ただ、仮にトイレを1回利用する費用が100円かかっていたとする。
その金額を返すために100円の商品を購入することは同等の価値の交換にはならない。
物品の原価と費用を差し引いた純粋な利益が100円以上になっている必要がある。
こう考えると、無料で利用できるからといってそのサービスを提供する側も費用負担ゼロとはいかないことは容易にわかる。
私たちは生まれてから死ぬまで、実際は死んだ後も様々な行政サービスを利用することになる。
一体合計いくらのサービスを利用し、その分いくらの税金を納めているのだろうか?
特別な理由や事情があれば仕方ないが、生涯で100万円分の行政サービスを利用すれば、最低でも100万円は納税しないと道徳的にも倫理的にも正しくない。